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株式会社フェイスSCA

決めることから逃げない

「A案については、このようなメリットもありますし、デメリットもあります。
 でも、B案の状況はこのようになってまして…」

H部長の発言を遮るように社長がたたみかけます。

「で? どっちにしたいの?」

「ええ、ですからA案については…」

しどろもどろで答えるH部長に、社長はさらに続けます。

「そんなの分かっているから。知りたいのは『どっちに決めるか』ということだ」

クライアントの経営会議でのやり取りを見ていると、
かつて私も同じような発言をして叱責されたことを思い出しました。
当時の私の上司は、

「自分の意見がない奴は、この会議に参加しなくていい」

と、最後まで煮え切らなかった私をあっさり切り捨て、会議を進めたのでした。

当時の私は、会社の将来や現場を動かす為の必要な重要議題にも関わらず、
「大事な議題だからこそ、議論の流れや、皆の意見を聞いてから決めよう」
と考えて会議に臨んでいたのです。そのような考えに至った理由は、
その場を丸く収める『八方美人な答え』を模索していたからにほかなりません。
みんなが納得するいい案はないだろうか…
一見、ものわかりが良さそうですが、根底にあるのは面倒な障害を避けたいという思考。
当然この考えから良いプランが生まれるはずがありません。
自身が経営者となった今では、当時の上司の苛立ちが手に取るように理解できます。
会議を手際よく進めるテクニックなんて、経営者にとっては組織の発展を妨げる弊害以外の何物でもありません。
経営者は、最終的に判断しなければいけない立場にあります。
その為に開催される会議で、経営者が聞きたいのは、自らが判断するための材料と経営幹部の決意。
「このように進めたい。何故なら○○(材料)だから。
進めるにあたっては、私が△△(決意)します」
そんな熱い想いが込められた意見に触れて初めて、経営者は「任せた」と言えるのです。

しかし、経営幹部が決めることから逃げ続けると、結局、経営者が決断を迫られ続けることに。
多忙な経営者に様々な判断が集中する状況が放置されると、一つひとつの案件について、
詳細な検討が行えなくなり、結果的に組織の発展や拡大が望めなくなってしまいます。

判断するのは上司であっても、決めるのは自分
これは経営幹部に限ったことではなく、組織の全ての人に対して言えること。
一人ひとりが自分の意志を持って、決めることから逃げない。
これこそが人の成長と組織の発展に大きく寄与する、大切なパラダイムの一つであると言えるでしょう。

株式会社フェイスSCA
代表取締役 針生 英貴