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株式会社フェイスSCA

「勘」「経験」「度胸」

◆「勘」「経験」「度胸」◆

「KKD」
私が研修講師としてデビューした当時、よく使われていた言葉です。
それぞれ、「勘」「経験」「度胸」の頭文字を並べたものです。

KKDで行動すると、120点の成果を手にすることもあれば、20点の成果という惨敗に終わることもある…。その頃は「セオリーに沿った行動」に対する好ましくない行動を表す言葉としてKKDという言葉が使われていたわけです。当時の上司からもセオリーの重要性を説く大切さを繰り返し教えられました。もちろん私もその考えに納得していました。

「勘」「経験」「度胸」に沿った指導の何が問題なのか?
誰がいったのか。何をいったのか。根拠は何か。
その全てが属人的、場当たり的な判断に取られかねないKDD発想のもとでは、その指示で動く人々、学ぶ人々に様々な混乱を招きがちです。それに対して、過去の経験や実績、データに基づいて確立されたセオリーを学ぶことは、ビジネスの場に明確な共通言語をもたらし、行動の良し悪し、善悪の判断が明確となります。加えて後進の指導にも有効に活用されるなど、セオリーは一定の役割を果たしてきた言えます。

しかし、時代は流れ、世の中は変化します。
KKD〜「勘」「経験」「度胸」という言葉や考え方は、今の時代を生きる人々にとって、どのように映るんだろうと、私は最近考えるようになりました。

研修講師として17年。
これまで多くの受講生の方々と接する機会をいただきました。中には私の駆け出しの頃からの長いお付き合いになる方もいらっしゃいます。私が経験を積む機会をいただいたのと同様、受講生の方々も同じ時間を過ごし、様々な経験を蓄積されているようです。加えて情報インフラの爆発的な進化によって、これまでに体験したことがない速度で、人々は必要とする大量の情報を得ることができるようになりました。
このような状況を踏まえると、果たしてセオリーだけを信頼することが得策なのか、という考えが湧きおこるわけです。

「何をやってもうまくいく」というバブルの時代は遥か昔。
「これをやったらうまくいく」という宝探しすらままならない昨今。
どうしても一歩踏み出す行動に躊躇するのは理解できます。
しかし、そんな不安な気持ちを解消する為の神頼みとして、
セオリーにすがりついたとしたら…。
今までの安全領域を出ることなくそこにとどまり、変化を選ばない日々を過ごしていると、気づかないうちに、自身が劣化してしまう可能性もあります。

未経験な領域に挑戦する「度胸」が、新たな道を開くことに繋がります。
そして、挑戦無くして新しい「経験」が生まれることはありません。
生まれた経験は、これまでの知識と融合されれて新しい「知恵」になります。
たとえ、度胸で挑戦して失敗したとしても、それも経験となり知恵になる。
長い目で見ると大きな糧になります。

往々にして「失敗が許されない雰囲気」「失敗を恐れる風土」が各企業で見受けらる昨今。
たたでさえ確実性の少ない今、競合他社を差し置いて一歩前に出る為には何が必要なのか。

当然ですが、様々なセオリーも時代の変化を取り入れて、常にアップデートされ続けているので、その重要性は今も同様。それを踏まえて…。
もしあなたが駆け出しの社会人ではなく、ある程度の長い経験を積んで、いくつかの成功体験をお持ちなら、「勘」「経験」「知恵」を活用する絶好のタイミングが訪れているのかもしれません。

株式会社フェイスSCA
代表取締役 針生 英貴