◆ 人と人とのつながり ◆
前回のメルマガから3ヶ月が過ぎてしまいました。まずは何もお知らせをせず、期間が空いてしまったことをお詫び申し上げます。ここ1,2ヶ月個人的な事情でバタバタとしておりましたが、やっと少し落ち着きを取り戻したために、こうしてメルマガを再開する運びとなりました。ご丁寧にご連絡を頂きました方にこの場を借りて御礼申し上げます。
個人的な事情ではありながらも、この1,2ヶ月のことは、今まで思っていたことがより深まるきっかけとなったことでしたので、個人的なことでありながらこの場を借りて、その気づきをシェアさせていただきたいと思います。
そもそもの事の発端は、研修を実施するため関西に前入りした日のことです。その日は10時からのWEBミーティングに合わせて、早朝の新幹線で関西に向かいました。朝の10時にはホテルに到着をしWEBミーティングを無事に終えお昼に差し掛かる頃、兄からの着信がありました。「今日病院に行くはずの母親が病院に来ていない」「電話をしても出ない」「今から様子を見に行く」という内容でした。急に不安が私の心を襲います。私もできる事はないかと母に電話をしたら、つながったものの、声がせず、後ろにラジオの音が流れているだけ。何度も「母さん!」と呼びかけても声が返ってきません。
16年前に父が他界してから高齢の母親は都内にて一人暮らしのため、いざという時用に聞いていたご近所に住む方の携帯に電話をしたところ「今から見に行きますっ」と家まで急いで見に行ってくださりました。しかし「鍵がかかっており、ラジオかテレビの音はするが、呼びかけても反応がない」とのこと。
私はひとまず自宅に母がいることを確認できたお礼を言って、その情報を兄に共有。兄はすでにタクシーで向かっておりほどなく到着し、鍵を開けたところ母が倒れており、声をかけても意識がもうろうとしているため、その後救急車を呼び近くの病院に運んでいただきました。
私は遠く離れたホテルの一室で無力感と不安に苛まれました。講師という仕事柄、代役は立てるのは難しい状況ですし、受講者の予定を変えるのはもってのほかです。結果、兄に全てを託し、自分は2日間の研修を実施してから戻りました。
後日分かったこととしては、母は肺炎を起こしており、運ばれるのが遅れたら自宅で一人息を引き取っていたという事。そう思うと背筋が凍る思いをしました。
しかし、時が経ち、落ち着いてくるにつれて生じたのが関係する人たちに対する感謝の気持ちです。
ただでさえ多忙な業務の中、予約に来ていないことをわざわざ兄に知らせてくれた看護師さん、様子を見にいってくださったご近所に住む方、そしてかけつけてくれた兄、神奈川から東京の実家まで行くと言ってくれた妻。
倒れた当日は遠く離れた地で何もできない無力感が勝っていましたが、今は母を取り巻く人たちへの感謝の気持ちのほうが増してきています。その後1か月以上の入院を余儀なくされましたが、先日無事に退院をすることが出来ました。
それらを通じて得た気づきは、改めて「人と人のつながり」の大切さです。これまでも「関係性」においては、企業の中でも人、モノ、カネと同様の資本だと思っておりましたが、今回の件を通じて、病院との、ご近所との、兄弟の、夫婦の、親子のそれぞれの関係性が今とは違うものだったら、起きた結果は違うものになっていたのだと思います。同じ目的を持ち、協力していく中で得られる関係性。企業内における関係性がより良きものであれば、企業が顧客に提供する価値もきっとよりよいものになると思いますし、企業を超えたプロジェクトであったとしても、関係性が良ければ同様に生み出されるものの質が変わってきます。引き続き弊社としても、そこにこだわりを持って取り組んでいきたいと思った次第です。これからも引き続きどうぞよろしくお願いいたします。