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株式会社フェイスSCA

思い込みという眼鏡

◆ 思い込みという眼鏡 ◆

 「子猫を引き取りたんだけど・・」という妻からの突然のLINE。以前から「いつかは猫を飼いたい」とは言っていたものの我が家には数年前から飼い始めた鳥がいるため、私の中では「猫と鳥は相容れないのでは」という「懸念」がありました。
 しかし親猫とはぐれてしまい浜辺でポツンといた境遇を聞き、そして保護をした方が撮影した子猫が必死にみゃあみゃあ泣きながら後をついてくる映像を見せられて私の気持ちも傾きました。最後は妻の「なんとかする」という言葉が私の背中を押して、我が家に迎えることにしました。
 迎え入れた初日、猫が獲物を狙うように鳥を襲い、鳥が逃げ惑うのかと思いきや、鳥が猫を威嚇してあっという間に上下関係が出来上がりました。私の「懸念」は「杞憂」に変わりました。
 
 ふと、振り返ると自分の思い込みが、何かを進める阻害要因になっていたことに気づきます。
 その背景には、
・知識が不足していたこと。
・あいまいな情報をもとにしたイメージが「思い込み」を形成していたこと。
があります。

 振り返ると、きっと同じようなことはたくさんあるのだと思います。
 先日もリーダーシップ研修を実施する際に、
「私はリーダーシップを取るのが苦手」
「自分は経験がないから不安だ」
 そのようなリーダー達が感じる「思い込み」は「リーダーとは○○なものである」「経験をしないと発揮できないもの」という自分なりのイメージを持っているケースが往々にあります。そしてそのイメージは、過去にリーダーシップを発揮している上司や恩師などに起因していることが多くありました。
 かくいう私も同じようなことを経験したことがあります。しかし、いくら影響力のある上司の真似をしても、自身の影響力が周囲に発揮されないという事は何かしら間違った「思い込み」を持っていたからです。

 リーダーシップとは何かという事を学びはじめ、その中でも「リーダーシップ交流論」「信頼蓄積理論」などの理論や「リーダーシップ構造論(著:波頭亮氏)」などたくさんの本に出会い、学びを深めるとともに実践手法を見直すこととなりました。

・リーダーシップは、相手に対してとったコミュニケーション(交流)の結果、相手がその人についていくに足りる資質を認めたことで心理的変化が生じ(発生)、フォロワーが自主的に行動する(発現する) 」という流れで発生していること
・1対1の関係の中で発生する事
・信頼の多寡によって影響力(リーダーシップ)が決まること

 私自身の「思い込み」は、その後こうした「知識」と「実践」また仕事を通じて数多のリーダー達の言動を見たり聞いたりした結果、「思い込み」が変化していきました。その「思い込み」が変化した結果、周囲との「関係性」は変わってきました。

 しかし、それもまた「思い込み」と言われるとその通りです。実践と結果が異なればそれも見直しが必要になります。

 結論としては、
・「思い込み」が何かを妨げてしまうことがある。
・自分の「思い込み」を疑ってみること、時に捉われず行動することが大切。
・実践の結果を振り返り、「思い込み」を検証し修正し続けることが大切。
・「思い込み」とは「眼鏡のようなもの」であり、時にかけ替える必要がある。
 
だと思います。猫を飼う話からだいぶ逸れてしまいましたが、自分は思い込みが強い方であり、それによりまだまだ知らないこと・気づいていないことがたくさんあるんだなあと気づくことができました。

 余談ですが、猫を迎え入れたことで普段掃除をしないようなところまで掃除をする必要が生じ、家の中がどんどんピカピカになってきたことも、想定しなかった副次効果でした。