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株式会社フェイスSCA

数年後を見据えて

◆ 数年後を見据えて ◆

 最初に彼と出会ってから、かれこれもう18年前くらいになるだろうか。互いにまだ30代に差し掛かる頃で、それぞれの会社の第一線でバリバリと働いていた。そこから久しぶりに一緒に仕事ができる事が、単純に嬉しく思う。

 彼は、この度会社の課題に向きあった結果、自分自身にできる事を広げ、社内講師として再び社内の人材育成を担っていく挑戦をすることとなった。営業課の責任者という重責を担いながらも、同時に人材教育部の責任者として兼任することになる。

 まずは、どの階層からどのような内容の研修を実施していくのか話し合った。最初のテーマは「Faith SCA」研修と「Initia」研修にした。信頼形成をテーマとした当社のオリジナル研修だ。

 組織づくりや人材育成において、互いに共通の認識として持っているのが、「信頼関係が大切」という事。この話をするだけで何時間も話せる。それはそれぞれが過ごしてきた年月の中で、その重要性を実体験の中で身に染みて感じているからだろう。20代後半から、組織人事コンサルタントとして20年近く過ごしてきたが、部下を育成する上でも、上司に提案をするうえでも、売り上げを上げるのも、経営をし続けるにも「信頼」が無いと難しいことを実感している。そして、一時期は信頼を得続けられる人でも、長年信頼を得続けるにはさらなる努力が必要なことも。しかし、信頼関係を周囲と築くことができれば、その人にとっての資産になり、全ての物事が好循環に回る。この考え方を、全社員の共通言語として、それぞれの立場で実践していくことができれば、組織力が高まる。彼は社内で信頼を得続けたからなのか、会社からのGOサインをもらうのも早かった。つまり、あなたがやるのなら「任せた」と思われるだけの信頼があるのだろう。

 社内講師にて研修をすることは、様々なメリットがある。社内の講師が話すことにより、研修内容を社内の実情に合った話をすることができる。また、基本的には自社にあったタイミングや人数で実施をすることができる。コスト面では、ライセンス契約を交わすことで、外部講師が実施をするよりコストを抑えられる。

 何より、「知識労働者は自らが教える時に最もよく学ぶ(P・F・ドラッカー『プロフェッショナルの条件』)という言葉がある通り、社内講師が教えることを通して、学び成長する。そしてそのような社内講師を社内のエース人材が担うことにより、本人自身の成長と、本人の経験を、研修という形で多くの人に共有・教育をできるというメリットがある。

 もちろん、対象者や研修内容によっては外部講師が担った方が良いものもあるし、講師となる人も多くの場合において、その仕事だけではなく、通常の業務に+αでやることになるので、準備にかかる時間の確保は大変なことも容易に想像がつく。

 しかし、その苦労を上回るのが「数年後を見据えて」イメージされる状態だ。そこにはきっと社員が今以上に力をつけている状況や、その結果、業績に反映されているイメージだ。

 人材育成はすぐに目に見える結果につながるものは少なく、継続していくことで数年後に明らかな差が生じてくる。しかし目に見えづらいこと故に投資をするのは勇気がいる。そう考えると、今回彼が挑戦しようと思ったのも、振り返ると十数年前に経営者が取り組んだ社内改革がなかったら起こらなかった事とも言える。そして今回踏み出した彼の勇気から、新たな芽が出るよう、そして風土が変わるように支援をしていきたいと強く思った。