◆伝わったことがコミュニケーション◆
「あれだけ何度も伝えたんですけど…、
やっぱり、伝わっていなかったのか。本当に彼には困ってしまいます」
チームリーダーのA課長がため息交じりに語りました。
どうやら、繰り返し伝えたにもかかわらず、
その意図がメンバーに伝わっていなかった様子。
課長は、その原因が部下であるメンバーにある、と考えているようです。
確かに、メンバーにも問題がないわけではないようですが、
この出来事、それで終わらせてしまって良いのでしょうか。
私たちは時として『伝えた』だけで終わらせてしまうことがあります。
そして、特に深く考えることなく、このような行為をコミュニケーションで
ある、と認識していることがあります。
このような思考に基づいているからこそ、
『私は伝えた。伝わらなかったのは相手の問題である』
という結論、自己正当化に着地してしまうのです。
コミュニケーションとは一人で成立するものではなく、二人以上の当事者た
ちによる共同作業です。
決して一方的に相手に問題があったと片付ける話ではなく、発信した側には
問題がなかったと正当化できる話でもないのです。
例えば、伝えてから3日経っても、伝わっていなければコミュニケーション
は完了していません。
(多くの場合、この事実に気づくまで更に数日の時間を要することになります)
組織で部下を持ち、その先輩という立場の方々は、
『伝えるコミュニケーション』ではなく
『伝わるコミュニケーション』を実現させ続ける必要があります。
キャッチボールで例えるなら、
相手が一番受け取りやすい場所にボールを投げる、ということ。
ジャンプしても届かない暴投は論外。
ワンバウンドの弱い球もいただけません。
受け取りやすい高さ、胸のど真ん中にボールを投げる。
さらに、そのボールを相手が受け取り、返球されるまで、しっかりと確認し続けるわけです。
伝えた、で終わらせるコミュニケーションから
伝わった、から始まるコミュニケーションへ。
少しの気配りで、あなたの意図が、
スムーズに伝わるようになることは間違いなし。
ぜひ、今日からお試しください。
株式会社フェイスSCA
代表取締役 針生 英貴