◆ 成長実感につながる「考え方の成長」 ◆
最近は、社会人入社から3年間(時には5年間)くらいまでを継続的に支援をさせていただくことが増えています。理由は様々ですが、①良い人材を採用するための体制づくり ②若手の早期戦力化 ③教える側の負担軽減 などが会社側の理由です。
これは会社側・上司側の意図だけではなく、新入社員側にとっても大きなメリットがあります。そもそも若手の方々、特に意識の高い方と話をすると、会社選びをする基準として「自分がどれだけ成長できるか」を大切にしている方が増えています。世の中の先行きに不透明感を感じる時代なればこそ、自分のキャリアを大切にしていきたいと思う中で、入社から数年間の育成計画があるというのはキャリアアップに非常にプラスになります。
「人が育つ・人が成長する風土づくり」は企業が短期的な成果を出すうえでも長期的な成果を出すうえでも重要な課題と言えるのではないでしょうか。
では、「成長」に関して実感はどのような場面で感じるかと言うと、多くは「以前はできなかったことができるようになった」「新しい仕事を任された」「職位が上がった」など「目に見えやすいもの」に目がいきがちなように感じます。実際若い頃の自分も同期がどんな仕事を任されたかを気にしていました。
一方、「目には見えない」考え方や価値観等、内面的な変化・成長にも目を向けることが私は大切だと考えています。
何故なら、そのことに自分が気づくと自分自身の成長実感に繋がるからです。目に見える成果が感じられなくても「私は成長できている」という実感が次のステップに向けた意欲を生み出してくれるからです。しかし、内面的な変化は本人や身の回りの人は気づきにくいように思いますので、研修や上司・メンターの関わりが重要だと思います。
弊社の「Reflection(内省)」という研修内では、その「内面的な変化・成長」を言語化するようにしています。
先日もとある会社で実施しましたが、「成長できたことやその理由」「貢献できたことやその影響」など様々な出来事を通して1年を振り返ったところ、参加者の方々から出てきた1年目の気づき・学びに感心させられました。
「何事も『自分から(主体性)』が大切」
「相手を受け入れることが大切」
「最も重要なのは人間関係」
「感謝の心」
「相手のことを考える」
「原点を忘れない」
どれも、上司や先輩からしてみると気づいてほしい考え方。1年間上司やOJTトレーナー・人事の方などが深くかかわってきたことが伺えました。研修ではそうした「成長した考え方」を炙り出し、今後の知恵として各々の「行動指針」としてもらいました。自分の体験と紐づいている指針は経験から生まれた「実践知」であり「知恵」と言える貴重な財産です。
一年前はやや遠慮がちだった方や、自分の意見と違う意見を否定してしまっていた方もそれぞれの価値観・考え方が成長する事により、表情・態度にも表れていました。そして、きっとそれは日々の仕事においても表れていることでしょう。それをさらに言語化することで、さらに行動が強化され良い方向へ自分を導いてくれることでしょう。
もちろん研修ではなくても、上司やメンターと言われる方も、部下や後輩から1年間の体験を聞きながら、そこから何が学べたかを聞くことで、そのような「考え方の成長」に気づいてもらうことはできるかと思います。
「成長実感」を感じてほしい、そしてさらなるステップに進んでほしいと思ったら、そのような点に目を向けてはいかがでしょうか。