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株式会社フェイスSCA

我が家のポイントシステム

◆我が家のポイントシステム◆

令和という新たな時代を迎えた今年のゴールデンウイーク。
充実したプライベートタイムでリフレッシュされた方もいらっしゃるでしょうし、
いつもに増して多忙な業務に携わられた方もいらっしゃるでしょう。
いずれも日本が迎えた一つの節目を、それぞれが体験されたかと思います。

普段テレビを見ることがない私も、この時ばかりは画面に流れる
『平成』の思い出を見つめ続けることに。
令和を迎えた5月1日には、清々しい気持ちで近所の神社にし、
新時代の訪れを感じることができました。

図らずも、この時代の節目に合わせるかのように、
我が家では、5歳の息子と3歳の娘に対して、
新しい試みが始まりました。
簡潔にいえば、子供達の行動に応じてポイントを与え、
そのポイントに応じたご褒美を与えるというもの。
同様の取り組みを行われているご家庭もあるのではないでしょうか。
事実、我が家に導入されたきっかけも、妻が友人から聞いたことに端を発しています。

息子に対しては、日記を書いたり、ピアノの練習やサッカーの練習をすれば1点。
娘であれば、一人でトイレに行くことが出来たり、一人で眠ることが出来たら1点。
という風に、これまで主体的にできていなかった事に対し、
行動できたらポイントが加算される仕組みです。
ポイントは2点から交換可能で、3点、5点、8点、10点、20点と、
ポイントに応じて交換できるご褒美、つまりはお菓子のグレードが上がります。

この取り組みが始まってからまもなくひと月。
子供達の行動を観察していると色々なことに気づかされます。

まず、子供たちは欲しいものが手に入るよう、主体的に行動するようになりました。
今までなにを言ってもしようとしなかった娘が、積極的に行動するように。
たった3年の人生経験しかない幼い子に
『行動が報酬を生む』
という概念が芽生えたわけです。

息子に訪れた変化は一歩先を行っていて、恐らくですが、
彼にとって初めての目標が生まれました。
それまでの『お菓子が欲しい』というひとりよがりな願望ではなく
『20点のお菓子を手に入れる』
というロジックを理解して行動するようになったのです。

全ての報酬は、ポイント順で見える様に置いておくことが効果的なようです。
目の前のご褒美をすぐに手にしたい子供達は、
当初は低いポイントのお菓子と交換していました。
しかし目の前には、なかなか手にすることが出来ない、
より価値あるお菓子が常に置かれたまま。時が経つにつれて、
そのより良いお菓子を手にすることに取り組み始めます。
つまり、我慢すること=より高い目標を追う、ということを理解するのです。

一方、全てを子供達の自主性に任せておくだけで、
ことがうまく運ぶほど簡単な話ではありません。
私と妻は、報酬であるお菓子のクオリティーに配慮し、
定期的にそれらを入れ替えるなどの気を配ります。
さらに、子供達の気分が乗らないときは、報酬があっても行動しなくなります。
そのような状況をできるだけ生じさせないよう、コミュニケーションを図る必要もあります…。

もうお気づきかと思いますが、まさに企業の報酬制度そのものなのです。
仕組みを設計・運用する時、どのような行動にどのような報酬を与えるのか…。
そのシステムが出来上がったとしても、機能するかしないかは、
経営者や上司の行動に大きく依存する…。
あくまでシステムだけに頼るのではなく、それをベースに活かしながら、
どのようなコミュニケーションを取ることが必要になるのか…。

我が家のシステムが機能し続けるために、
私と妻は思案を重ねながら子供達に関わり続けることになるでしょう。
たった二人の子供をひと月導こうとするだけでも創意工夫の必要性を感じるのです。

より多くの人を対象に、より困難な目標に、より長い時間向き合う企業。
人材の労働意欲や成長を支援する社内環境の構築に苦心される経営者の方々。
子供達との交流を通じて、そのご苦労の一端を垣間見ることが出来た有意義な
ゴールデンウイークとなりました。

株式会社フェイスSCA
代表取締役 針生 英貴